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日野春學舎構想 全体構想

『地域の課題を、「農」と「食」と「美」を架け橋に皆で学び合い
力合わせて改善(解決)する日野春學舎構想』

~様々な”ひと”や”もの”や”こころ”の間に架け橋を創造し、
廃校となった日野春小学校の跡地「日野春學舎」を
その拠点として展開すると同時に地域再生の糸口とする~


1,八ヶ岳名水会が今この構想に全力で取り組み実現しなければならない訳

 これまでの福祉において、利用者は往々にしてサービスを一方的に受ける側であった。現在、措置費制度から給付費制度へと法律は変わったが、彼らがすべての面で主体者となったとは言い難く、さらに福祉の枠組みに納まらない社会的な弱者が活かされる仕組み作りに至っては依然として手つかずの状態である。特に、発達障害者や触法者等は受け皿すら明確ではなく、時として特定の施設に収容してよしとするケースが少なくない。これから必要とされるのは、社会から阻害されている彼らを社会から隔離して解決とするのではなく、地域社会へ還して、それぞれの場所でそれぞれに活かされ地域での共生を可能とするための支援の仕組みを構築することである。これは取りも直さず、受け皿としての地域の度量に期待するところが大きい。
 しかし、その期待を寄せるべき、当法人が活動を展開する山梨県峡北地区の地域社会は徐々に衰退しようとしている。地域農業は少子高齢化によって後継者を失って遊休農地という名の雑草の海となり、これまで地域を支えてきた企業は海外等へ拠点を移し、下請け工場は倒産し廃墟と化している。
 このままでは先の課題も解決されず、あと10年すると受け継がれてきた文化も意思も途絶えてしまうという危機感を抱きつつ、同時に、この10年が勝負だという強い使命感を抱いている。このままでは枯れた地域と肥大化した施設しか残らない。



2,八ヶ岳名水会ならばこの構想を実現に取り組める理由及びその方法

<当法人には上記の問題を解決するために必要な実績の積み上げが既にある>
  すなわち、「地域生活定着支援センター」及び「自立準備ホーム」が稼働しており、触法者の支援を総合的に行っている。また、連携法人の「NPO法人杜の風」においては、この地域に在住する発達障害の方の支援において、その幼少期から関わって保護者と共に成長を見守り、信頼関係も築いてきた。さらに、「日野春學舎」では発達障害の子ども達の受け入れ活動にも場所を提供する予定である。
 また、入所事業所「星の里」及び通所事業所「春の陽」においては、設立当時からこの地域の方々と連携、協力しながら農業に取り組み、有機無農薬栽培を行ってきた。また、障害者の一般就労を支援する就労移行支援事業に制度開始当時から取り組んでいる。さらに「障害者就業・生活支援センター」があり、地元企業とも太いパイプを築いて障害者雇用への道筋を付けてきた。
 ただし、これまで当法人の実績を連携させ、地域と繋いでもう一歩昇華させる仕組みが無かった。今回の構想の主たる柱であるNPO法人は、これまでの実績及びノウハウを連携させ、地域を舞台として十分に活かしながら縦横に循環させるためのステージである。



この構想で実現したいこと 

  1. 地域の農家と協働した、遊休農地の有効活用と特産品目の生産 
  2. 安心安全の有機無農薬栽培農業の展開(ぼかし、薫炭、腐葉土、堆肥による土作り) 
  3. 北杜市と連携して荒廃する里山を再生する、里山整備の継続と拡充 
  4. 地域の農業団体等と協働し、地元の農産品を活用した魅力ある加工食品の商品開発 
  5. 生産物の市場価値を高めるためのブランディング等企画開発 
  6. 高収益を目指すための都市部への販路開拓と市場(マルシェ)及び流通システムの構築 
  7. 循環型社会に貢献するリサイクル事業の拡充 
  8. 老朽化する法人施設設備等のメンテナンスや清掃、維持管理業務以上の企画等を通して、 
    1. 福祉就労と一般就労の間を埋める中間雇用の創出と、農家を含めた地域の活性化 
    2. 住民参加による、失われつつある地域文化の継承 
    3. 重度の障害を持つ利用者さんも参加できる、循環型の農業及び作業活動の創出等の展開を図っていきたい。


スクリーンショット 2016-03-16 17.15.06.png↑日野春學舎構想 構想図 これらの活動を通して、触法者や発達障害等、社会的な弱者にとっての社会参加や活躍、雇用の場を創造していきたい。すなわち、様々な農業体験や職業体験の機会を設けて、各人の能力や意欲に合わせてチャレンジできるように準備すること。また、体験の機会に、地域の方々や企業の担当者等と直接触れ合うことにより、多様な人間関係作りの実績を積み重ねていきたい。そういった機会やチャンスを増やすことにより、彼らは失敗を恐れず、自分自身の可能性を広げることができる。
 さらに、外部から人材も登用して、新たなノウハウと人脈の獲得を図り、「學舎=まなびや」として充実させて、確かな「人材=人財」を育成し、連携していただいた企業への就職の道も開いていきたい。一方で、一般就労が難しい人たちには、循環型農業や当法人施設の美化や修繕等の管理業務を確立することにより中間雇用を創出したい。
 これらの活動は、これまでの福祉の枠組みでは容易には取り組めないでいた。理由のひとつには、障がいをもった利用者さんの活動の場を作るには、それ以前に、危険を伴う機械の使用や手間のかかる準備等、慎重かつ入念な下準備が必要な点が上げられる。NPO法人では、それらの段取りにも地域の農業者や支援者の協力を仰いで取り組む予定である。効率よりも経験や知識や質が要求される場面も多く、例え農業者が高齢でも十二分に役割を担っていただける。これも地域交流、地域活性の一環となる。そのように、これまで実現できなかった幅広い交流や支援を実現したいと考えている。





3,さらに活動を活性化させ人と物が自然に集うような魅力ある場を創造するために

 <魅力溢れる地域社会の実現>
 当法人が活動を展開する八ヶ岳南麓は、都心から約2時間とアクセスも良く、周囲を2,000m~3,000m級の山々に囲まれて、水、土、空気共々に清く澄み渡り、眺望は一幅の絵といえる程風光明媚な地である。さらに、日照時間は日本一であり、ありがたい事に自然災害からも比較的守られているせいか、住む人の人情も厚く穏やかである。
 この地は、東京から長野へのアクセスの中継点として、古くからその良さを知る人々が、あらゆる表現活動の舞台としてきた。戦前、戦中、戦後を通して、アララギ派、白樺派をはじめとする先人は幾重にもその下地を作り、その歴史は現代へと受け継がれている。 我々を含め地域の人々も、改めてこの地がどれほど魅力があるところなのかを再認識し、どのような形で日常の暮らしの中に取り入れ、享受していくことができるか想像は膨らむ。「日野春學舎」を、そのきっかけ作りとなる拠点としたい。



現在動き始めている、または予定している主な各種企画及び交流活動

  1. 犬塚勉作品(山や樹など自然を描いたアクリル画)の季節展示
  2. アトリエ活動(参加型アート教室)
  3. アール・ブリュットネットワーク等との協働(合同企画展等)
  4. 首都圏等から人を呼び込む、農業体験の企画 人と物の相互交流
  5. レストラン営業「豆の花」「楽一」
    1. 有機無農薬栽培の地域産物による、魅力あるメニュー作り
    2. 就労困難者の中間的就労
  6. 地元地区行事への解放~地域との交流~
    1. 地元区民の運動会、体育行事等のグランドや体育館使用
    2. 地域避難場所の受け入れと避難訓練時の施設使用  
  7. 地域市民活動への活動場所提供、及び活動の連携と展開
    1. 長坂下条里作り研究会(地域住民有志による地域興し活動)
    2. 八ヶ岳ふるさと倶楽部(首都圏等からの移住者による交流活動)「ふるさと倶楽部まつり」の開催
    3. ひなたぼっこ(不登校児の受け止めと活動支援)
    4. 一般社団法人「里くら」(地域の若手就農者)との連携「たねとやさいまつり」の開催
  8. 長坂地区の国蝶オオムラサキ保護活動への協力


 校舎建物も改修は最小限に留めて、往年の雰囲気を残すよう心がけたい。140年余の歴史を持つこの小学校において、卒業生が思い出を語ることができる場所であるということは、誰もが同様の思いを共感できる場所であり続けるということである。



4,まとめ

 構想全体の展開を別図「日野春學舎を中心とした地域との連携活動展開図」で示した。この構想は大変広範囲に亘り、実現させるためには入念な下準備が必要である。特に走り出し(およそ3年間)には、収益を生み出す仕組み作りが難しく、この間の活動を支えるためには資金的な裏付けが必須である。しかし幸いにも、この構想の趣旨を認めていただいた日本財団及び福祉医療機構から、助成のご支援をいただくことができた。3年後、構想が独立した暁には、地域社会を広汎に巻き込んで、多種多様な活動展開が実現できるものと期待も膨らんでいる。
 法人設立以来20年、偏に地域住民の方々のご理解とご協力により活動を展開し、信頼関係を築いてきた。その地域への恩返しの気持ちも込めて、地域との幅広い互恵関係を築き、地域社会全体の再生と活性化を図りたい。 以上が、地域に立脚する当法人に科せられた使命であり、当法人が存在する意義であると考えている。